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Cisco製品のAPIを活用したシステム連携

Cisco製品のAPIを活用したシステム連携

昨今では外部にAPIを公開しているサービスやソフトウェアが増えてきています。
専門性の高い機能や便利な機能について、APIを経由してシステム間連携することにより、より高機能で利便性の高いシステムを一から開発するよりも短期間・高品質に実現することが可能となります。
当社でのCisco API連携を活用したネットワーク・セキュリティ・コラボレーションの各製品においての連携システムの開発事例について、ご紹介します。

課題

  • ネットワーク・コラボレーション・セキュリティの各製品の利用のため、各々の管理画面にログインし、操作を行う必要がある。
  • 各製品にも連携の仕組みが存在する場合はあるが、他社製品には対応していないものがある。
  • 連携において他社製品との連携も含めたり、独自レイアウトのWeb画面・ファイルプロトコルなどに対応したい。

技術概要

各種製品には、通常のWeb画面やコンソール画面以外に、APIを用いた制御の仕組みが存在します。
APIを活用することできめ細やかな制御を外部から行うことができるようになり、製品間の連携をスマートに行うことができます。
また、専門製品における自由度の高い設定パラメータも開発システム側でプリセットを用意することができるため、運用に合わせて必要な個所だけを利用ユーザーに見せることができるようになり、操作の難易度を低減し効率的に運用できるようになります。

Cisco CUCM・CMS・Webex API

Web会議や各種電話の発着信の操作について、従来では製品にあらかじめ準備されているWebインターフェースを用いて手作業での操作を行っていました。
会議についてはグループウェアや他システムに予定が登録されていたり、特定のイベントに合わせて開催されることもあるため、これらをグループウェアや他システムとの連携を行うことにより、会議開催や呼び出し・Web会議自体の制御の自動化を行いました。
これにより、Web会議の予約漏れや呼び出し漏れの防止、予約そのものや参加者の突合せにかかる操作の低減、また会議後のアーカイブ作成などまで自動化し、円滑なコミュニケーションを行えるようになりました。
また、他システムの通知などもWebexを中心とするコラボレーション製品に集約することにより、通知の見落としや確認に掛かる時間を低減し、その後の対策のためのコミュニケーションにシームレスに移行できるようになりました。

Cisco Meraki API

Meraki製品群のAPIを利用することにより、クラウド環境に存在するMeraki製品群の管理情報をオンプレミス環境のシステムから利用できるようになり、より柔軟にネットワークの管理を行うことができるようになりました。
また、Meraki製品群で取得可能な各種ネットワークメトリックやIoTセンサー類の値を、適切なあて先に通知・集約することにより、他のパラメータと合わせて俯瞰的に環境をチェックすることが可能となりました。
それ以外にも各種コラボレーション製品向けの通知機能や、管理画面外から操作可能な機能限定ポータルなどを作成し、各運用者のスキルに合わせた運用を行えるようにしました。

Cisco ISE API

当社製品「FORT Express」との連携

セキュリティ製品であるISEについて、当社にて別途開発しているセキュリティ製品である「FORT Express」とデバイス管理に関するAPIを利用して連携、各システムにおけるデバイス登録の二重化を防止し、双方の製品を利用した運用の負荷やミスを低減しました。

業務効率化を実現するデバイスポータルの作成

ISEの専用画面を利用できない一般ユーザー向けのデバイスポータルを作成し、これを用いた運用を行うことで、デバイスの一括登録など、従来では管理者が全て負担していた作業をユーザーでも行えるようにしました。
これにより、デバイス管理に係る申請や問合せを大幅に低減し業務を効率化するとともに、伝達ミス・申請抜けによるデバイス稼働率の低下を低減しました。

単一のシステムによる管理ではなく複数のシステムの機能を利用しやすくしたことで、各製品の強みを最大限に活かすことができるようになり、結果的に全体のセキュリティも向上しました。

結果

各製品のAPIを利用することで各分野の専門製品をシステムの一部として利用できるようになり、各製品の機能を最大限に活用しつつ運用負荷を大幅に下げることができました。
また、単一の製品ではできなかった発展的な運用もできるようになり、単一製品で使う以上に便利になるケースもありました。
その他にも、API連携後も連携先のシステムは独立しても動作するため、モノリシックなシステムに比べて耐障害性・BCPの観点においても利点があります。

技術担当者の声

高機能な専門製品について、その定められた用途や熟知したエンジニアが利用する場合には大きく力を発揮しますが、実際の運用においては、より複雑な利用条件であったり運用者の様々なスキルレベルといった課題が存在します。
それらに加えて既存製品との連携を求められることもあり、そのような場合に各種APIを用いたシステム間連携を提案しています。
これにより、既存の資産や専門製品の強みを活かしつつ、お客様の環境に合わせた柔軟な構成に対応することができるようになりました。